この週末は、僕の人生を変えたひとりでもある、信州大学の原山智師の巡検に行ってきました。原山さんは北アルプスの山々をバリエーションルートも含めて何日も何日も踏査して、槍穂高連峰をはじめとする名峰たちの生い立ちを解き明かした大先生です。僕が学生だった頃にちょうどそのあたりの研究成果を一般向けにまとめた本が出版されて、それがきっかけで地質を勉強することになったのでした。その頃はそれほど登山技術は高くなかったですし、自分が最初に未解明のことを解き明かさなくても人が解明したことを知るだけで十分満足で、結局フィールドを歩き回る方に特化して今の仕事をやっていますが、10年前に今くらい自由に山を歩き回れたなら、もしかしたら研究の道に進んでいたかも、、、と思うこともあります。
そんな過去があったので、ガイドになってからも地学現象の面白さを少しでも多くの人に伝えられる存在になりたいと思っていましたが、どうも壁のようなものを感じていて、それを突き抜けるヒントを得たいなぁと思っていたところで、このような原点に立ち返る機会を得たのでした。
そんな問題意識を抱えながら、大正池から明神の間を歩きつつ上高地や槍穂の生い立ちを解き明かしていくのを聞いて手がかりは掴んだので、来年はいよいよ満を持してジオ登山ツアーを企画してみたいと思います。お楽しみに!
以下、数行の説明で済みそうなポイントに絞って写真を選んでみました。どうぞお楽しみください。
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こんなに平らな地形が奥山にあるのは焼岳のおかげ。 |
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焼岳はその昔、大正池とは比べものにならないスケールの堰止湖を作り、 そこに土砂が堆積して上高地から徳沢までの谷底盆地が作られました。 |
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もう秋も終わりなので、大正池の浚渫作業が始まっていました。 自然の営みに逆行する作業ですが、諸々の事情によって毎年行われています。 |
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大正池より下流の梓川はなかなか見る機会がありません。河原を見ると焼岳の熔岩ばかりです。 さらに下流の釜ヶ淵の堰堤なんかも機会があれば訪ねてみたいものです。 |
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大正池を挟んで梓川の右岸に初めて行きました。 焼岳の溶岩流や火砕流や泥流の跡地なので、特有の景観が広がっていてとても面白いところです。 工事関係者以外立入禁止ということにはなっていますが、興味ある人はぜひ見ていただきたいですね。 |
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焼岳からの土石流が大正池に流れ込まないようにするための導流堤もありました。 |
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ちょっと上流には上高地の旅館などの施設のための下水処理施設。 秋晴れと落葉松の紅葉が似合う一日でした。 |
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とりあえずこんなところで。
まだまだ1%も面白さを語れていないので、聞きたい方はぜひ来シーズンのツアーに来てくださいね!