登山ガイドの技能を生かして、ここ数日、シカの生態調査のお手伝いをしています。次期の県の特定鳥獣保護管理計画の基礎データを集めるのが目的の大事な調査です。調査地はどこも登山道もなくたいてい急傾斜で、地形図とコンパスで迷わずに指定されたルートを安全に歩きながらシカやその痕跡を探すという高度な?お仕事です。
いきなり地形図で恐縮ですが、、、
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たとえば①のルートだったら、
峠から南方向に伸びる尾根を辿って1850mピークに行く(1850mピークかどうかは尾根の伸び方で判別)。
西に延びる顕著な尾根に乗り崖で行き止まったところで②を歩く人と別れる。
北西に延びる尾根に乗り、鋭かった尾根が広がってきたあたりで西北西に進路をとり、そのまま下って川原に出る。
適当なところで川を渡り、西南西から南西にに進路をとり、林道に出る。
という感じでしょうか。
慣れないうちは頭が痛くなりそうですが、ナビゲーションの技術をいったん身につければと山歩きは格段に面白くなります。
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さてここからは実際の調査地の風景をお届けしていきます。
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下草が生い茂っていると歩くだけでも大変なところもあります。 |
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獣道発見! |
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シカの足跡です。 |
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こんな岩はロープで懸垂下降、というのは冗談で、もちろん巻いて下ります。
そういったルート取りの先読みも大切。センスが問われます。 |
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地図にない林道の切り通しに行く手を阻まれることも。
最新の改訂以後の地形の変化は地形図には載っていないのでこういうことも起こりえます。 |
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八ヶ岳とその向こうに南アルプス。 |
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ただいま紅葉真っ盛りです~。 |
里山の魅力と難しさを同時に味わえるお仕事でした。野外調査や研究は大好きですし、里山を知りその魅力を伝える上でも有意義なので、こうしたお仕事もぜひ増やしていきたいものです。