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ごあいさつ。


こんにちは。登山ガイド・スキーガイドのたむ屋マウンテンです。
どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。
                                                   たむ屋マウンテン/田村茂樹



2018/09/25

地獄谷で修行してきました。~甲斐駒ヶ岳御中道、甲斐駒ヶ岳赤石沢奥壁第1バンド~

先日の黒戸尾根に続き、時間ができたので甲斐駒ヶ岳に行ってきました。七丈小屋の主でもある花谷さんからお話を聞いて興味を持っていた赤石沢奥壁です。今では岩登りで訪れる人がほとんどでしょうが、かつては黒戸尾根の八合目から今で言うところの第1バンドを通って摩利支天の基部に抜け、摩利支天を拝み、登頂して奥宮に参拝し、そして黒戸尾根を下ってくるというのが駒ヶ岳講の人たちの登拝路だったそうです(今はどうなのか、山伏でもあるタムラは非常に気になるところで、いずれ駒ヶ岳講の人たちにご一緒させていただければと思っているところです)。とはいえ、そんな岩登りする人たちしか行かないようなところに私なんかが行けるのかと思っていたところ、タムラクンなら人を連れて行けるでしょ!という言葉を信じて、この巡拝路を案内できたらいろんな意味で素晴らしいなと思い、偵察も兼ねて訪ねてきました。夏の初めには花盛りになるようで、お花の好きな方にもおすすめらしいですよ。

今回は日程の都合で北沢峠から。早出して駒津峰の手前で日の出。



まずは摩利支天に参拝、本峰を遙拝。



素晴らしい眺めです。


コルに戻っていよいよ御中道を下っていきます(逆行ですが)。
カモシカさんも歩いているとわかれば心強い。
普通の登山ではなかなか見れない景色です。
こんなところを下ってきました。
何だかやな感じ、がしたのは気のせいではありませんでした。
向こうには黒戸尾根。
あの象徴的な不動明王様の剣がこんな角度で見えます。
こんなに踏み跡が薄いものかあぁ、そんなに今は登る人もいないのかなと
思いつつ下ってきました。
行く手。。。半信半疑ながら進んでいきます。
振り返ってこの写真。行ったことのある方はお分かりのことと思いますが、第2バンドに入ってしまいました。下のバンドに下っていいものやらどうなのか、下りもやらしそうだし。。。そこまで良く奥壁の概念を頭に入れていなかったので、この時点ではまったく気づきませんでした。
奥壁の絶壁。
私にはルートはわかりませんが、すごいことだけはよくわかります。

右ルンゼ?
往時は「地獄谷」と呼ばれていたそうですが、まさにその通り。足を滑らせれば奈落の底です。
今度は黒戸尾根に向かって登り返しです。
藪漕ぎするわ、岩や草付きをよじ登るわ、久々に冷や汗をかきました。
こんなところは自分ひとりで精一杯だし下りで行くのなんて無理じゃん。
なんとかかんとか、登山道に出ましたが、、、これは剣の下のルンゼ下のトラバース。
ようやく間違えた、と確信を持てました。
やはり下のバンドに行くのが正解だったようです。
登山道に出たところから摩利支天側を撮っていますが、
コルから真下方向に伸びるルンゼに下りるべきところを右のルンゼに下りてしまったようです。

そんなわけで八合目の岩小屋に戻ってもう一度行ってみることにしました。
お天気のおかげで、素晴らしい眺めでした。
なんだ、しっかり踏み跡あるじゃん!
踏み跡に導かれて下っていきます。
先ほどとは打って変わって命の危険を感じるようなところもなくすいすいと下りてきました。

数は少ないですが、御中道の歴史を感じさせる碑が残っていました。

下ってきたバンドを振り返ります。
今度は摩利支天に向かって登り返します。
先ほどは上のバンドに行ってしまいました。
登り始めてみると、雪のためかやっぱり踏み跡は薄く、
これは初見なら間違えるのも致し方なしかなと感じました。
行くならばやはり伝統に則って黒戸尾根から行く方が無難です。
なかなか大変な登りで、ようやく一息。振り返ります。
最初に行ってしまったのが上のバンド、正解は下のバンドでした。
あと半分。。。
お花を力に。。。
コルに帰ってきて、
仙丈と再会。ほっとしました。
ただいま~。

やっぱり甲斐駒ヶ岳大好きです。いいおやまだ。

 
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