間近で見てみると、烏帽子岳とはうまいこと名づけたもんだと納得の山容です。 |
このあたりは花崗岩地帯。地面が夜露に濡れたおかげで条線土がきれいに見れました。 ね、きれいな縞模様でしょう? |
現行のルートは鎖がついていますが、これがまた登りにくい。 岩壁を直登する昔のルート(?)の方が登りやすかったですが、 何にも確保がないから下降時の事故が多かったんでしょうね。 |
先ほどの鎖のあとはバンドをトラバースして山頂です。 |
ちょっと岩登りして(本当の)山頂から。。。 |
烏帽子小屋まで登って、いよいよ家路につきます。ブナ立て尾根を1000m一気に下ります。
あの下まで。。。 |
竹村新道同様、上の方はガレややせ尾根が多いですね。 |
キヌガサソウ三姉妹。お年頃です。 |
急降下が続きますが、道は良く整備されていて非常に歩きやすいです。 さすが人気ルートなだけあります。 |
コイワカガミ。 |
稜線がもうあんなに遠くなりました。 |
下の方に下りてくると至るところでカエルがうごめいていました。 これだけいるなら取っていって食べようかと一瞬思いましたが、 嫌がられそうな気がしたのでやめておきました。 |
最後は急斜面すぎるのでひたすら階段で下ります。 |
到着~。 でもまだまだダム歩きが待っています。 |
濁沢を目印に沿って下っていきます。 |
ダム手前に堆積した土砂を搬出するために至るところで重機が動いています。 ダムを造れば、ダムに注ぐ川の河床勾配は緩くなりますから、当然そうなりますよね。 |
この通り。流路を固定するために敢えて掘っています。 |
このトンネルを越えれば高瀬ダムの上に到着です。 |
戻ってきました。 またここから、ダンプとすれ違いながら1時間半の道路歩きです。 |
あの上にいたんだなあ。 |
1日20台レベルでひたすらダムの土砂を搬出しています。 |
見る度に思いますが、こういうのははたして意味のある仕事なのでしょうか。ダムを埋めないで発電し続けるためには当然必要な仕事ですが、自然の摂理に反したことをやっているので不合理かつ非生産的で、これだけのことをして発電して元が取れるのかとか、トータルでダムの収支を考えると全然元が取れていないように思います。
登山者の視点から見れば、元からあった登山道を潰されるし、ダンプとすれ違いながら長時間歩くのは極めて不快で山で清められたものが台無しになります。しかし一方で、ダム開発や堰堤建設に伴って林道が着けられて山登りも便利になっているのも事実。 こういった矛盾を解消し、より良い山登りの環境を後世に残していくことは、山登りを愛するものとして、登山ガイドとして、自分たちに課せられた使命のひとつだなと思いました。
追記
里に下りてから大町市史を見てみたところ、、、
1980年代の刊行ということもあって、ダムは産業も作ってくれたし観光にも使えるし素晴らしい!という論調なんですね。他の自治体ではけっこうページを割いている登山についてもほとんど記述なし。山との付き合いの歴史をダム建設ラッシュで忘れてしまったかのようです。当時がそういう時代だったこと、それがいまこうなっていることは勉強になりました。いま日本人がいろいろやっていることも、将来的にはこうなる可能性が秘めているし、そう疑って検討して、やることやらないことを決めていかないといけないですね。
いろいろ考えさせられる、そんな下山でした。
おわり。