初日の横尾まではもしかしたら雨?2日目のアタック日は吹雪?という予報で、初日は長靴でアプローチしようか、などとやきもきしましたが、幸い初日は降られず、2日目以降も雪だけで雨には降られずに肩までは到達することができました。
今回の初日の宿は横尾。 登山靴は前回と違って完全防備の冬靴なので、トレランシューズでアプローチしました。 |
ニリンソウは晴れ続きで少しずつ開いてきました。 |
すでに天気は下り坂。明神も前穂も雲の中でした。 |
徳沢では風で倒れた桜が花を咲かせていました。 こういう、逞しい美しさ、好きですね。 |
なんだ?と思ったらカエルの卵が道端の水たまりにありました。 |
夕方になって疑似好天の晴れ間が少し顔を見せました。 で、翌朝の写真です。 |
一晩で真っ白白。雨にならなかったのが不幸中の幸い。 雨だったら、登って行くにしたがって吹雪かれてとても厳しい状況になるところでした。 行けるかどうかは風次第ですが、何はともあれ覚悟を決めて、 雪中行軍で槍ヶ岳の肩の小屋を目指して、行けるところまで行くことにしました。 |
白黒の槍見河原。槍はやっぱり見えません。 |
西風なので、運が悪ければ大曲がりを越えれば吹かれるのではないかと予測し、 槍沢ロッジで装備を本格的に調えて、出発です。 |
ババ平を越えて河原へ。 まだまだ風が穏やかで暑いので、汗をなるべくかかないようにゆっくりめのペースで進みます。 |
グリーンバンドに向けて急登にかかりましたが、まだまだ穏やかな風。 |
視界もそこそこあって、予想外の穏やかさに肩すかしを食った感じでしたが。。。 |
グリーンバンドあたりから吹かれるようになり、積雪もだんだん増えてきました。 風をできるだけ避けつつ風対策をしっかりとって登ります。 |
それにしても、こんな天気なのに続々と登ってきます。 事故が起こらなければ良いのですが。。。 |
ペースダウンしてしまいましたがようやく岩小屋あたりに到着。 肩までの最後の急登と稜線の風に備えてアンザイレンで登ります。 |
一段と強くなった風を躱しながら、最後の登りです。 |
ここに至ってようやく穂先が見えました。 |
稜線は意外と穏やかでした。 明日のために下り口を確認しながら小屋に入りました。 穂先はこの天気なのでお預け。明日に期待です。 が、翌朝もこの通り。 風は一段と強まり、涸沢の仲間に聞いたらカール内は吹きだまりで50cmの積雪とのこと だったので、下りのラッセルの体力を温存する意味もあって早々に撤退することにしました。 アンザイレンして出発です。 |
小屋の脇を抜け、下りはじめのところまで来ると、猛烈な風!! 久しぶりに真面目に耐風姿勢をとりました。 |
突風を時折やり過ごしながら、地吹雪で遮られる視界の中を旗印を辿り、 新雪の積もった急斜面を気をつけて下っていきます。 |
積雪深はこの通り。一番深いところは膝くらい。ラッセルです。 |
少し穏やかになったところでようやく一息つきました。ようやく少し槍沢を囲む峰々が見えてきましたが、 |
沢の中はこの通り。上方向。 |
下方向。 |
行きと同じで、グリーンバンドの直下を過ぎたら急に風が穏やかになり、 上空の寒冷渦も通過しきったのか、お日様も見えてきました。 |
大曲がりを越えると、谷の方向が変わるので風がぴたっと収まり、 天気も回復して晴れ間も見えてきました。 |
三日間でまったく見えなかった東鎌尾根も姿を現しました。 |
赤沢山の岩壁。 |
新雪の山肌にお日様が当たって、それまで耐えたご褒美のような景色でした。 |
槍沢ロッジまで戻りましたが、まだ槍ヶ岳は見えず。。。 |
槍見河原では、、、 |
てっぺんまでは見えませんでしたが、帰り際になってようやく少し見えました。 |
横尾でも前穂の山頂までは見えず。 |
ニリンソウはまた少し開いたでしょうか。やはりGWの次の週が見頃になるものですね。 来年はやっぱり残雪の穂高や涸沢と絡めてツアーを企画することにしましょう。 |
徳沢を通り過ぎたところでようやく見えました。 |
河童橋はやはりGWの賑わい。 |
奥穂の方面も新雪をかぶって青空とのコントラストが美しくなった週末。 厳しい天気でしたが、ガイドとしてもいい経験になった3日間でした。 |