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ごあいさつ。


こんにちは。登山ガイド・スキーガイドのたむ屋マウンテンです。
どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。
                                                   たむ屋マウンテン/田村茂樹



2017/11/04

身近に発見いい沢!~女鳥羽川支流中ノ沢地獄谷~

を聞いて気になっていた沢に行ってきました。
松本市内を流れる女鳥羽川の支流です。ええっ?沢登りできるの!?という感じですが、行ってみて納得、超おすすめです。



林道の今の終点でこんな感じ。
しばらくは堰堤を挟んでこんな感じなので、そのあたりで沢歩きをするだけでも十分楽しめます。
寸断された林道を終わりまで行くと堰堤があります。
林道は右岸についていますが、手前で徒渉して左岸に移るのがポイントです。
紅葉が下りてきて、ぽかぽか陽気で高巻きも気持ちよいです。
無事に終了。
またのんびり沢歩き。
昼時を狙って遊びに来て、お弁当を食べて帰るのでも十分楽しそうです。
しばらく行くと昭和初期作の堰堤があります。この時代のものは自然にそこそこ溶け込んでいて、戦後のものほど景観との相性は悪くありません。
人工物もなくなって、いよいよ本番です。
ほうほう、地層の傾斜と両岸の傾斜の関係がよくわかるポイントですね。
左側を受け盤、右側を流れ盤と言います。
沢が蛇行しているので、ちょっと行くと違う角度になります。
今度は層理面に沿って滝ができています。
落ち口から見るとこの通り。
沢沿いは岩がよく出ているので地質調査はよく沢登りをするんですが、ここは地質も面白い沢ですね。
さらに進みます。
そして出ました。噂の廊下。。。
先日の高遠の沢と比べると水温はそこまで低くなかったのですが、
さすがにこの時期に膝上まで使ったり泳いだりするのは嫌なので、高巻きを試みます。
左岸は絶壁なので右岸を高巻きますが、それでもこの傾斜。
最低限の高さのあたりを高巻きしたら崩れやすい獣道でやな感じでした。
総合的に考えると、もう少し上の少しは傾斜が穏やかになるあたりに
もう少しましな踏み跡がありそうです。
沢に下りる途中でキクラゲ発見。
ほんのちょっとだったのでつまみ食いで終わり。
滝の落ち口から観察すると、右岸に岩溝があって、そこを登れるかも!?という感じでした。
泳いでも気持ちのいい時期に挑戦してみることにしましょう。
滝を過ぎてもまだしばらく廊下状を行きます。
帰ってから調べてみたら、どうやら硬い火砕岩のところを流れているようです。
廊下を過ぎると大沢と地獄谷の出合です。
雰囲気がガラッと変わって連瀑帯です。
陽気もいいし水も冷たくないので、水しぶきを浴びながら楽しく登ります。
それを過ぎるとひたすらナメ。地獄というか、天国ですが。。。

またまた面白いものを発見。
硬い地層があるおかげで小さい滝ができています。


そうこうしているうちにまた両岸が迫ってきました。

手前に釜があり、登りやすいところは水浴び必須なので、ここは高巻き。
ここの出合で左に行くと烏帽子岩近くに突き上げます。
多くの人はここを登っているようで、今回はそれに習ってみました。
いきなりの見応えある大滝。
結構しっかりした踏み跡があって高巻けました。
それを過ぎるとまた平和な渓相に戻りますが、稜線に向かって傾斜が増してきます。

よくよく見ると砂岩と泥岩の互層になっています。

南に面しているので陽が差して紅葉が映えます。
傾斜がきつくなる分、滝登りもまだまだ楽しめます。
見事な柱状節理です。マグマが冷えて固まるときに縮んで規則正しい割れ目ができたものです。
立山の材木石なんかと同じことです。
うーんと、こりゃなんだ?
見覚えがあるようなないような。
滝もなくなって、淡々と高度を上げていきます。
と思ったら樋状の面白い流れ。
最後の二俣。左に行くと崖にぶち当たってしまうので、
右の沢から適当なところでエスケープして林道まで詰め上がります。
最後に思う存分水の流れを楽しんでから沢から上がります。
後は斜度ができるだけ緩いところを登っていきます。
無事に林道まで抜けました。
烏帽子岩が見えます。京都三条の土下座像のようにも見えます。
周りと違ってマグマが固まったために目立った岩峰になっています
烏帽子岩は下の村々からの信仰を集めているようで、権現様が祀られています。

武石峰など南の峰峰。
北アルプスの山々もよく見えました。
後は美ヶ原ロングトレイルの道を下って帰ります。
途中、炭窯の跡がありました。
無事に帰ってきました。
今回のルート図です。


また時間を見つけて別の支流や周辺の他の沢を探索してみたいと思います。まずは地獄谷を最後まで詰めるところから。。。


 
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